オペラ座の話。
ファントムの一般的イメージってこれだけど顔についてるもの全部剥いだらこれなんだよな……と改めて眺め。 そこまで嫌悪するほど酷い顔ではないと思うけど、しかし19世紀パリはオペラ座、美こそ全てな世界の中でのこの顔は、確かに醜いものだったのだろう……と思いを馳せる。
周囲の見る目もだけど、本人のプライド的にもな……自分の美意識に自分の顔が合致してないというのは辛かっただろう。
とはいえファントムは綺麗な顔に生まれていてもそんなに好かれる性格にはならなかっただろうなという気がしている。
尊敬されて持て囃されて取り巻きとかはいるだろうけどクリスティーヌには選ばれない。そういうイメージ。
わたくしは勿論オペラ座の怪人が好きでファントムが好きなんですが、この場合の「ファントムが好き」というのは「おまえがクリスティーヌに選ばれるわけが無いだろ」という意味です。
そしてファントムを選ばなかったクリスティーヌが好きだし真摯に彼女を愛したラウルが好きだ。
ファントムは音楽はじめ大天才だけど、相手の気持ちや立場を思いやらずに一方的な愛と恩義をかざして女をものにしようとした男で、最終的には劇場崩壊させた男。愛する彼女が出演する作品を無事に完成させることより私欲私怨を優先した男。惚れるわけがない。
生い立ち境遇才能に魅力と哀れみを感じつつ、決してクリスティーヌの伴侶として相応しくは無い。という人物造詣が物語のパーツとして面白い、という意味で、私は「ファントムが好き」と言うわけです。
私だって結婚するならラウルが良い。