LondonsAlice’s blog

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『ジェーン・エア 上 下』新潮文庫

『ジェーン・エア 上 下』新潮文庫

ジェーン・エア』を読んだ。

舞台を観てから本を読む経験はなかなかないので新鮮。

微細にわたる描写を楽しみつつ、端折られている部分やエピソードが並べ替えられてる部分などにふむふむなるほど……とミュージカル化に際しての工夫に思いを馳せる。

 

ジェーンが伯母さんを看取った折に、リード家の娘たちと和解というかそんなに前ほど悪くはない関係に落ち着いたところが良かった。

でもあのへんあんまり舞台映えはしなさそうだし人物増えすぎちゃうし、リード家問題を伯母さん一人に集約させるのはよく分かる。

寄宿学校のくだりはいかにも英国文学の雰囲気で、辛い描写はあれど読感は悪くない。優しい先生もいたのね。良かった。

ロチェスターは原作から“美しい声”ということで、ジェーンが歌に聴き入っていたりして。ほお……。

占いのところは文で読むよりミュージカルの方が面白かったなテンポ良くて!

 

しかし井上芳雄効果を取っ払ったロチェスターは正直そんなに……いやジェーンが惹かれるのだから魅力は認める……文だけだとちょっと私には伝わりにくかったけど……。

あの口調とか仕草とかが良かったんだよな……。

原作ロチェスター、婚約中の浮かれっぷりが濃厚すぎて笑うやら引くやらで読んでいて大変に複雑な気持ちに。

ジェーンを着飾らせるのに夢中(彼女は望んでいないのに)な一方であの秘密は未だ抱えたままなのが私に苦虫を噛み潰させる。

それでも身体が不自由になってジェーンと再会してからのくだりは微笑ましいのでまあいいか……という感じになる。ジェーンが良いならそれでいい。

少なくともリヴァーズよりずっと良い。

 

あと配信観てるときから気になってたこと。

“フェアファックス”ってのはイギリスによくある名前なんだろうか。

『エマ』にもフェアファックスさんが出て来たし、あと『魔法使いハウルと火の悪魔』にも出て来た。 脇役女性にありがちな名前なのか。