『オペラ座の怪人』は映画版がとても好き。
モノクロシーンとのコントラストとか、ポイントオブノーリターンからシャンデリア落下の流れとか、ラストの墓地のシーンとか。映画でしか見られないあれこれが好き。 シンクオブミーの白ドレスも!
『オペラ座の怪人』での一番の悲劇は、クリスティーヌの舞台歌手としての人生がとても短かったことだなぁ……ラウルなら結婚後も舞台活動応援してくれただろうけど、レッスンつけてプリマになる切欠を作ったのはファントムで、彼女が歌う限り怪人の面影は付きまとう。
しかもあんな事件の後では実力よりも変な話題性で起用される可能性もあって、そんなのはクリスティーヌが気の毒だし。(原作では身分差もあってラウルの親族に反対されてて、その目を避けるためにも二人で行方をくらませたらしく……どの道舞台復帰は無理だったか……)
ファントムは、キャラクターとしては魅力的だけど愛情表現とか教え子への対応とかがダメすぎるので好きだけど好きじゃないキャラである。 それでも決して嫌いではないのよ。
ファントムの何が一番ダメかって言ったらクリスティーヌの出演する舞台をぶち壊していることでな。 舞台作家としての面もあったのに、演目を完成させることより彼女を物にすることを選んだ。
舞台作家だったり監督だったり、音楽家だったり声楽教師だったり芸術家だったり、色んな面で天才だけど、芸能人の恋人になるのに全く向いていなかった男 ファントム……。
そういうところが、好きじゃないけど好きなキャラ。 映画のラストシーンにはぐっとくる。(クリスティーヌの墓前!)